CardStarterとSundaeSwap

事前に理解しておくべき知識
CardStarter…Cardanoブロックチェーンを用いたローンチパッド。特定のDappsが良いスタートを切れるようにトークンの貸与や流動性の提供などで支援する。
SundaeSwap…CardanoのDEX(分散型取引所)。

2社は2021年度の6月にパートナーシップを結んでいます(参考①)。

パートナーシップの内容は、「CardStarterの流動性をSundaeSwap DEXにマージすること、およびその流動性に対するCardStarter投資家への報酬としてSundaeSwapトークン(発行された場合)を配布することに関して誠実な話し合いを行う」というものだったようです(参考②)。

参考:
①「CardStarterとSundaeSwapがパートナーシップを締結」
https://sundaeswap-finance.medium.com/cardstarter-chooses-its-favorite-ice-cream-flavor-b60744eca935
②「CardStarterコミュニティへの対応」
https://sundaeswap-finance.medium.com/addressing-the-cardstarter-community-562de667d755
(※①②はいずれもSundaeSwapのブログです。CardStarter側の記事もあると良かったのですが、正式なブログなどは見つけられませんでした。どなたか知っている方教えて下さい)

皆さん、こんにちは。チャールズ・ホスキンソンです。暖かい日差しの降り注ぐコロラドから生放送でお届けしています。今日は2022年1月24日(アメリカ時間)です。今最も旬なドラマと言えばCardStarter VS SundaeSwap論争でしょう。彼らの論争になぜだか私を巻き込みたい人がいるようです。というわけで、ご希望に沿ってこの件についてお話しをしたいと思います。

CardStarter と SundaeSwapような事例が起きると、大抵の会社はプレスやPR部門を通して定型的な声明を発表して物事を穏便に終息させようとします。IOHKは「普通の会社」ではありません。トップに立つのは私、チャールズ・ホスキンソンです。私の会社は皆さんが何かを話したい時はそれについてしっかりと話し合います。

私がまとめた状況を説明します。まず、Reddit、Twitter、DiscordやTelegramなどで話題になるまで、私はCardStarter VS SundaeSwap論争についてあまり知りませんでした。今朝、CoinDeskから問い合わせがありました。私からしたら、なぜ私に連絡をしてきたのかという感じです。これはCardStarter と SundaeSwap間の商業上の論争です。IOHKは双方の会社を一切管理していませんし、彼らの会話にも関与していません。彼らのやり取りのどこにもIOHKの影はありません。

しかし、IOHKはコメントを求められ続けています。人々はRedditやTwitterを利用して論争を解決しようと試みているようです。私はここに一部の人々の成熟度の低さが現れていると思います。では、画面を共有して実際にどのような発言が繰り広げられているのか一緒に見てみましょう。

一つ目の投稿です。内容はCardStarter と SundaeSwapの約束が破られてお互いを非難し合っているというものです。CardStarterとはカルダノのイノベーターやコミュニティドナーに接続されたプラットフォームを交換するための分散型アクセラレータです。SundaeSwapはカルダノのDEXです。

昨年、この2つの会社はお互いに利益をもたらす方法を模索し議論を始め何かを計画したようです。SundaeSwapが17時間ほど前に投稿したブログ記事があります。CardStarter側のブログ記事もあれば良かったのですがツイートしか見当たりません。

SundaeSwapはここ数日CardStarterの投資家コミュニティを非常に気にかけています。CardStarterの投資家はCardStarterが昨年6月にSundaeSwapと契約を結んだと理解しています。CardStarterはネイティブ・トークンと引き換えにSundaeSwapに流動性を提供するように投資家にインセンティブ(メリット)を与える予定だったようです。インセンティブとはCardStarterの投資家が保有するネイティブ・トークンをSundaeSwapに移動させた場合にSundaeSwapトークンを獲得できるというものです。このメリットがどうも適用されない方向に向かっているため、CardStarter と SundaeSwapが投資家への約束を破ったとして争っています。

CardStarter と SundaeSwap関係は昨年6月に締結されたマーケティングおよびコラボレーション契約にのみ基づいています。あればですが、署名等を公開することは可能ではないでしょうか。CardStarter と SundaeSwapが商業的な合意の証拠として過去のスクリーンショットを公開していますが、スクリーンショットは交渉ではありません。契約というのは通常は「覚書を交わし交渉を開始する」という形で結ばれます。その後、合意書が続きます。これを全体合意と呼んでいます。

現時点で公表されている契約書はありません。何らかの形で非開示契約が結ばれているからです。私はCardStarterの不満は理解できます。しかし、問題はCardStarter側の理解が契約書に明記されているかどうかです。

どのように解決するべきか?訴訟か仲裁か、あるいは今後の交渉で解決する他ありません。CardStarter VS SundaeSwap論争に私が巻き込まれていますが、私には2つの当事者に対して法的な影響力も無ければ、物質的な支配力もありません。彼らはカルダノのエコシステムに参加している数百社の内の2社の独立したベンチャーに過ぎないからです。にも拘らず、CardStarter VS SundaeSwap論争は最終的にはカルダノのブランドにダメージを与えることになります。

暗号通貨メディアはいつだってカルダノについて信じられないほどネガティブで不当な偏見に満ちた記事を掲載します。カルダノのエコシステム内の数百の独立したベンシャーの内たった2つが交渉でうまくいかなかったために商業的な争いを起こしていることがカルダノの代表的な性質であると主張し他の全ての要素を無視します。

これは私達がエコシステムとして今後何年も対処しなければならないことです。何百ものプロジェクトがあればプロジェクト間には商業的な争いがつきものです。CardStarter と SundaeSwapは共同でプレスリリースを行い、「私達には解決すべき問題があります。」と言うのはいかがでしょうか。そして、双方が信頼できる独立した第三者機関を仲裁者として参加させるのです。それが公平で合理的だと思いませんか?

最後に、何かのプロジェクトを応援する人は前もってそのプロジェクトには十分なビジネスの成熟度があり、あなたがそのプロジェクトに託した信頼をそのプロジェクト・チームがしっかりと守ってくれるかどうかを確認しなければなりません。プロジェクト・チームが明確に「イエス」と答えられない場合は、今回のような事態が発生するリスクがあることを理解しておく必要があります。

どこよりも、親しみやすい説明で。

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