FTXと暗号通貨市場について

皆さん、こんにちは。チャールズ・ホスキンソンです。深夜のオンタリオ州トロントから生放送でお届けしています。私がトロントにいるのはここで開催されているサミットでスピーチを頼まれたからです。時計の針は1時手前を指していて正直かなり眠いのですが、ベッドに入る前にタイトルの話をやはりしておきたいと思いカメラを回しています。

FTX騒動で現在市場が大きく揺れています。FTXというのはサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)が率いるアメリカの大手暗号通貨取引所です。この会社が行うビジネスは送金だけでなく買収など多岐に渡ります。破産したボイジャー(Voyager)を買収したニュースは当時注目を浴びたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

サムは書類上では10億ドル(約1000億円)以上を持つ資産家、億万長者でした。彼の会社であるFTXも会計帳簿上潤っていました。今回のFTX騒動はTerra/LUNAの破綻に似ています。失敗が失敗を呼び、連鎖的な失敗が市場に打撃を与えています。市場は非常に不安定になっていて、一連の打撃を消化しきれていない状況です。

FTXの傘下にアラメダ(Alameda)という会社があります。サムはアラメダに相当額の顧客資産を融資して高リスクな取引に充てていたようです。この疑惑が明らかになりFTXの流動性が問題になりました。さらに、サムが債務超過に陥っている可能性が浮上しFTXの存続が危ぶまれています。

FTXが事業を行うことが困難になった場合、救済や買収が必要になります。救済が受けらなければ倒産します。バイナンスが買収に名乗りを上げてデューデリジェンス(実際に契約をする前に買収する側が売り手側の企業を調査すること)を前提として拘束力のない趣意書にサインをしました。デューデリジェンスでは主にサムとFTXの経済的な関係、会社の資金がどのように使われたか、会社がどれだけのリスクを抱えているのかが調査されます。バイナンスが買収のリスクが高いと判断して買収を取りやめる可能性はゼロではありません。そうなればFTXの規模から推測するに暗号通貨市場に与える影響は大きいです。

カルダノはFTX関係に一切関与していないため損失はありません。お金は無くなりません。カルダノは安全です。ちょっと面白い話になりますが、FTXはなぜだかADAの取り扱いを拒否しています。ただ、カルダノ・エコシステムに少し影響が出ることは避けられません。カルダノをベースにしたプロジェクトがベンチャーキャピタル(VC)を得ることが難しくなるというような影響です。

FTXはワシントンDCで活発なロビー活動を行っていました。彼らの失敗はアメリカの政治を予測不可能に変化させる危険があります。例えば、下院の中間選挙の結果が共和党優位に終わったため、私は予想通りのインフラ法案が通ると考えていました。しかし、Terra/LUNAに続くFTXのシステミックな失敗はアメリカの暗号通貨業界の印象を悪くさせます。結果、規制当局による監視が強化されたり、より暗号通貨業界にとって不都合な法律が制定されたりするかもしれません。

今日からの1週間から 10日間が暗号通貨業界にとって非常に大きな変革の時です。まずはバイナンスが鍵を握っています。買収が成功すれば、市場が安定するため事態が好転するでしょう。買収が失敗すれば、失敗の連鎖が継続します。FTXと取引のあった他の企業が軒並み共倒れする可能性は十分にあります。2008年のリーマン・ショックという世界金融危機のシナリオも想定しておかなければならないでしょう。

私は不謹慎ながらカルダノだけを見ていられたら良いのになあと思ってしまいます。鳥になって自由に飛び回れたらどんなに楽だろうなと思ってしまいます。なぜなら、カルダノだけを見ていたら、そこには楽観主義、興奮、熱意しかないからです。プロジェクトの進捗、コミュニティの発展、達成してきたKPI、どれをとっても素晴らしいです。

この動画を聞いてくださっている中にもFTX関連で大きな痛手を負っている方々がいることを思うと胸が痛みます。本当にひどい出来事であり、ひどい状況だと思います。警告すべき新しい情報があればまた私から報告します。Terra/LUNAの破綻の時も私は動画を撮り、皆さんに一緒に乗り越えようと呼びかけましたね。今回も同じです。一緒に乗り越えましょう。

以下の記事は過去に投稿したTerra/LUNAの大暴落のとき、および金融改革法と規制についての翻訳内容です。合わせてお読みください。


心に残る翻訳を目指しています

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