カルダノSL(Settlement Layer:決算層)vs カルダノCL(Computation Layer:計算層)

皆さん、こんにちは。チャールズ・ホスキンソンです。いつも暖かいコロラドから生放送でお届けしています。今日は2023年1月29日です。最近、私の元にカルダノのアーキテクチャー(構造)に関する質問が多く寄せられています。今日の動画ではホワイトボードを使って「カルダノの構造」と「そのような構造にした理由」を説明したいと思います。

カルダノの構造はローンチ前の2016年~2017年に私が発表した「Why Cardano」というペーパーに既に書いてあります。Why Cardanoで私は大まかに次の2つの概念を使ってシステムを設計すると言っています。カルダノSL(Settlement Layer:決算層)とカルダノCL(Computation Layer:計算層)です。

カルダノSLは「安全」を約束してくれます。このLayerは高い決定性、信頼性、自己回復力、分散化を誇っています。アップグレードも可能です。代表的なプロパティは、拡張UTXO会計モデル、Plutus+DSL(ドメイン固有言語:こちらを参照)、カルダノ・ネイティブ・アセットの規格などです。カルダノSLの内部構造は基本的にほとんどのDeFi、NFT、アプリケーション開発に対応できます。

カルダノCLは簡単に言うとサイドチェーンのコンセプトです。プロジェクトにはそれぞれ異なるニーズがあります。ニーズによってはカルダノを根本的に変えなければなりませんが、それによって中央集権的になる可能性があります。そこで、代わりに私達はカルダノに拡張性を持たせることにしました。カルダノのサイドチェーン・ビジネスモデルというのは、プロジェクトにオープンソースのツールキットを使って独自のインフラ(サイドチェーン)を構築してもらい、カルダノに接続(ブリッジ)してもらうというものです。こうすることで、プロジェクトのビジネス・ロジックが最も有効に働きます。

例えば、World Mobileは最近人気の高いCosmosというツールキットを使っています。今の通信業界は政府や独占企業が電波を所有し運用している中央集権的な存在です。カルダノがいる非中央集権的な暗号通貨業界とは真逆です。「Connect the Unconnected」を実現するためにWorld Mobileはまず伝統的な世界と非伝統的な世界の間に橋を架けなければなりませんでした。橋渡しには独自のインフラ要件があり全てをブロックチェーンに移行させることはできなかったようです。彼らはメインチェーンにカルダノを採用し、オフチェーンでインフラを構築、展開することを選択しました。World Mobileが構築するインフラはカルダノCLに属します。カルダノはこのインフラを保証します。

私はつい先日のWorld MobileのCosmosサイドチェーンの発表にとても興奮しました。カルダノとWorld Mobileという2つの素晴らしいエコシステムがパートナーとなり相互に利益をもたらすのです。相互運用性は第3世代のスケーラビリティの柱の一つであり、これが促進されることによりカルダノは暗号通貨としてより強固に成長します。

サイドチェーンが増えるのはSPOとデリゲーターにとっても良いことです。ステーキング報酬は減少していきます。報酬0になるのは100年後くらいでまだまだ先ですが、今後10年の減少幅はかなり大きいです。ステーキング報酬をトランザクション手数料だけで賄うのは限界があります。そこで登場するのがサイドチェーンです。サイドチェーンはメインチェーンと提携しているためカルダノに手数料を支払わなければなりません。手数料はトークン建てです。サイドチェーンが支払う手数料のお陰でステークプールは収益を上げることができ、システムは持続可能になるのです。想像できないかもしれませんが、将来のステーキング報酬はADAとサイドチェーンが発行するトークン(World Mobileの場合はWMT)が混在した形になります。

誰かが「オフチェーンや別のエコシステムで何かをする必要があるなんておかしい。カルダノは失敗した。」と言っていたらその考えは間違いです。未来はマルチチェーン、マルチインフラです。そして、未来の勝者はマルチチェーン、マルチインフラに柔軟に対応できる人です。

心に残る翻訳を目指しています

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