Marlowe
誰もがコーディングできる金融に特化したプログラム言語

現状の問題点

ブロックチェーンを利用せずに他人に送金をする際は、基本的に銀行が必要となります。最近はネットバンキングなどのオンラインでの送金も目立ってきていますが、銀行の手数料も高く、また時間もかかります。そして、そもそも銀行自体が信用できるものでなければ、送金をする際に不安になるでしょう。

Marloweの利点

▲beyondstandardが動画を見ながら作成したもの

(1)暗号資産は元帳がすべてブロックチェーン上に記録されており、誰もが元帳を調べることができますので、銀行のような第3者の存在は不要で、かつ信頼性も抜群です。
(2)Marloweの言語自体が金融に特化されており、かつ上記の画像のように視覚的に契約を作成できます。ですので、プログラミングの経験が無い人でも設計できるようになっていますし、一般的な言語に比べればエラーの数も少なくなります。これらのツールを通して、開発者や起業家をはじめとした多くの人が簡単に金融契約商品を作り出すことができます。

スマートコントラクトの利

スマートコントラクトであれば、同時に2つの送金を行うことが可能です。
例えば、自動販売機をイメージしてください。自動販売機は、お金を入れてボタンを押せば商品が即時に手に入りますし、またお金を入れてもボタンを押さなければ返金されます。これと同じようことがスマートコントラクトではできます。
ここにAとBの2人の人間がいたとします。Aの1000ADAとBの120$を交換したいという場合、
「Aが送金した後でBが送金する」
という契約ならば、Aが送金した時点で契約が破られ、Aが損をする可能性があります。これをスマートコントラクトで行うならば、「Aが100ADAを口座に入れ、Bが120$を口座に入れたことが確認できれば、プログラムが起動したら自動で交換する」というようなことができます。この場合、心配する必要はありませんし、第3者の存在も必要ありません。

MarloweとCardano

Goguenの展開の一環として、CardanoでのMarloweの実装を予定しています。それが完了すると、 DeFiに関するアプリやウェブサービスが作成できるようになります。MarloweはまずCardanoブロックチェーン上で実行されます。Cardanoのエコシステムプラットフォームであれば、手数料も安く、また時間もかかりませんので、送金や決済への応用が大きく期待できます。(Cardanoだけではなく、将来的には他のブロックチェーン上でも実行される可能性があるようです。)

Marloweのユースケース

上記の画像で私が作成した契約は「12000ADAを持つAliceと、1000$を持つBobの資産をそれぞれ交換する」といった簡単なものです。もちろん、これを応用して任意のADAと任意のアメリカドルでレートを計算して適切な量の交換をすることもできます。
簡単な信託基金を作ることもできます。
「Aliceは、満期時に息子のRobertがお金を受け取ることができるようにする。ただし、Aliceの気が変わったときに、満期前にお金を取り戻すことができる。」といった条件付きの契約を作成することもできます。

おわりに

ついこの間、CardanoのNFTであるCardanoコインを初めて購入しました。こちらはPaypalで購入したものですが、もしスマートコントラクトが実装されたら、購入の方法が増えますし、他のDefi、ゲーム、NFTなどの応用範囲も爆発的に増えそうです。
Byron,Shelleyと慎重に進めてきたCardanoロードマップは、Goguenの完了に伴い実生活への多様な応用が利くようになります。Catalystでも多くのスマートコントラクトを用いたアイデアが出ていますが、金融に関するDappsはレンディングや寄付などたくさんあります。Alonzoハードフォークは2021年度の秋には完了する見込みですし、これからの発展が楽しみです。

【参考文献】(クリックで転送)
(1)Marlowe Playground
(2)Learn about Marlowe
(3)いちばんやさしいブロックチェーンの教本

ご覧いただきありがとうございました。追記・訂正などありましたら、以下のコメント欄もしくはDMやお問い合わせフォームから連絡をお願いします。

心に残る翻訳を目指しています

この記事が気に入りましたら、ステーキングの委任はぜひAichi/Tokai Stake Poolへお願いします。
1ADAからでもOKです!励みになります。

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP