分散型AI

今日は私が現在のAI分野をどう見ているか、今後数年から数十年でAIはどこへ向かうのか、そして、AIを次のレベルに導くためには分散型管理が重要であることについてお話ししたいと思います。

AIの歴史は1950年代にまで遡ります。ここ5~10年の間に私が「Narrow AI(特化型AI)」と呼ぶものが驚くほど増えました。AIは非常に特殊な問題を解決するコンソールで、多くの場合、人間よりも優れています。しかし、私は自分のキャリアの多くをAGI(汎用人工知能)と呼ばれる次世代AIについての研究に費やしてきました。AGIとは、人間が知識を今まで想像したことのない領域や問題に移すように一般化できるAIのことです。今はまだそのレベルに到達していませんが、私の研究チームや他の大企業、多くの一流大学がAGIを目指して積極的に取り組んでいます。これは私の予想ですが、5年~20、30年以内にAGIに到達することは可能だと考えています。

もちろんこれで終わりではありません。AGIの先にASI(人工超知能)と呼ばれるものがあります。ASIは人間の頭脳が持つ能力を全て兼ね備えています。人間を超えたAIが誕生することは素晴らしい快挙であると同時に心配事でもあります。例えば、AIが人間の仕事を奪ったり、より少数の専門的な仕事に置き換えていく可能性があります。その結果、世界的な富と所得の不平等がさらに拡大するかもしれません。これは本当に私達が望んでいることでしょうか?

私はここ数年、「AIを進化させながら、破壊的なものではなく前向きなものにするにはどうしたらよいか」を考えてきました。取り組みは3つあります。


1つ目は「ソフィア」を瞑想のアシスタントとして使うことです。ソフィアのすごい所は、人間の先生などを使っても効果的な瞑想が出来なかった人達でもかなり深い瞑想状態に導くことが出来ることです。

2つ目はAIを生物学に応用して病気を治したり、人間の老化を理解したりすることです。長寿の人のDNAを研究し、AIを使ってどのような遺伝子変異の組み合わせがあるかを理解しようとしています。長寿の秘密が解明されれば人間が現代より長生きする方法を見出すことが出来ます。

3つ目は、ブロックチェーンベースのAIのための分散型プラットフォームの構築です。ここでは、AIがサービスを提供したり、互いに協力したり、力を合わせて問題を解決したりします。「Singularity Net」は2017年に私達が世界で初めて立ち上げたAIのためのブロックチェーンベースのプラットフォーム構築プロジェクトです。現在では他にも何十ものブロックチェーンベースのAIプラットフォームやネットワークが生まれ、それらは私達が設立した分散型AIネットワークの業界団体「分散型AIアライアンス」に集結しています。

私はAI分野で働いている人、AIを使える分野で働いている人、つまりほとんどすべての人に向けて非常に重要な事を呼び掛けたいです。私達は自分自身を超える知性の形を作り出そうとしています。どのような種類の知性なのか?それは私達が今作っている初期段階のAIが実際に何をしているのか、どのように組織化されているのかにかかっています。

心に残る翻訳を目指しています

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