Cardano・Midnightの進展と今後の展望――Charles Hoskinson氏が語るLeios、RealFi、Pogun、Midnight City
【概要】
2026年9月18日のライブ配信で、Charles Hoskinson氏はCardano、Midnight、そしてInput Output(I/O)が進める複数プロジェクトの進捗について語りました。CardanoではLeiosの開発やノード多様性の進展、Midnightではプライバシー機能と「Midnight City」を軸にした一般ユーザー向け戦略が強調されました。さらに、RealFiの翌月ローンチ予定、Pogunの約90日以内の公開見通し、Bitcoin DeFiにおける手数料改善に関する説明なども共有されています。
一方で同氏は、Cardanoのガバナンス、資金配分、コミュニティとの関係に強い問題意識も示しました。今後はCardanoだけに注力するのではなく、目的に応じて複数のチェーンを活用していく方針です。
【解説】
🔹 Leiosは予定どおり進行、テストネットでの実装検証が重要な段階に
Hoskinson氏によると、Cardanoのスケーリング技術であるLeiosは、引き続きスケジュールに沿って開発が進められています。特に「Musashi Dojo」公開テストネットでは、仕様やプロトコルを設計するだけでなく、実際のネットワーク上で稼働させる際に生じる課題を検証する重要な段階に入っていると説明しました。
リンク:Musashi.network https://www.musashi.network/
また、Hoskinson氏は、Blink Labsが独自ノードでCardanoメインネットのブロックを生成したと述べ、Cardanoにおける「ノード多様性」の時代が始まったと評価しました。
Leios とは
Cardanoの処理能力を高めるために開発されているプロトコル設計です。取引処理をより効率化し、スループットの向上を目指す取り組みとして位置付けられています。
Blink Labs とは
Blink Labsは、Cardanoエコシステムで開発を行っている企業で、Go言語で書かれたCardanoノード実装「Dingo」などを開発しています。Cardanoのノードは長らくIOG(Input Output)が開発したHaskell製の実装が中心でしたが、別実装が増えると、単一実装のバグや障害に依存するリスクが減ります。
🔹 RealFiとPogun、Cardano・Bitcoin DeFiをつなぐ商用展開
Hoskinson氏は、RealFiが翌月、すなわち2026年10月にCardano上で展開される予定だと述べました。これは、長年掲げてきた「銀行サービスを利用しにくい人々へ金融アクセスを届ける」というテーマにもつながる取り組みとして紹介されています。
さらにPogunについては、今後90日程度で公開される見通しを示しました。同氏はPogunを、Bitcoin保有者や機関投資家の資本をCardanoのDeFiへ取り込む入口と位置付け、TVL、ステーブルコイン発行、オンチェーン取引の拡大につながる可能性を語っています。Pogunの公開資料でも、Bitcoin保有者や機関投資家を含む新しい資本層をCardanoへ取り込む構想が示されています。
Bitcoin DeFiについては、Hoskinson氏は複雑な暗号技術を改善した結果、1取引あたり約1万5,000ドルだったコストを30ドル未満まで下げられたと説明しました。ただし、この数値は同氏が配信内で示した開発上の比較であり、一般利用者向けのBitcoin取引手数料を意味するものではありません。同氏はさらなる低コスト化を目指す方針を示すとともに、CardanoのUTXOモデルはBitcoinと技術的な親和性が高いと述べています。
RealFi とは
RealFiは、IOGが進めるCardano上の金融プロジェクトで、銀行口座を持たない人々に金融サービスを届けること(banking the unbanked)を目指しています。中心はステーブルコインUSDrで、ステークすると、米国債や社債、実在企業への融資といった現実資産の収益を得られる仕組みとされています。フェーズ1のテストネットはすでに公開されており、チャールズは「来月(10月)ローンチする」と発言したと報じられています。
Pogun とは
Pogunは、IOGが進めるビットコイン向けのDeFiプラットフォームです。ビットコイン保有者が資産の管理権を手放さずに、Cardano上で貸し借りや利回り獲得をできるようにし、眠っているビットコインの活用を狙います。2026年中に、信用市場、利回りアプリ、BitVMを使ったブリッジの3段階で展開される予定です。全取引でADAが手数料として必要なため、ADAの需要増も期待されています。
🔹 Midnightは「Midnight City」だけではない――プライバシー基盤としての展開
MidnightについてHoskinson氏は、Midnight City専用のネットワークではないことを改めて強調しました。Midnightは、プライバシー保護を考慮したスマートコントラクトを実行できるブロックチェーン基盤です。公開状態と非公開状態を組み合わせ、ゼロ知識証明を用いて必要な事項のみを検証・開示する設計を特徴としています。
配信では、MidnightのPreview Network上で、SNARKを使うことでアドレスを公開せずにトランザクションを送れることにも触れられました。また、CompactというTypeScript風の言語を用い、プライバシーを考慮したスマートコントラクトを記述できる点について、Zcash型の送金プライバシーを超える可能性があると説明しています。Compactは、Midnight向けの静的型付きドメイン固有言語であり、非公開データと公開状態を扱うプライバシー保護型コントラクトの開発を目的としています。
スマートコントラクト とは
ブロックチェーン上で、あらかじめ定められた条件に従って自動実行されるプログラムです。取引、貸付、NFT、ゲームなど、多様なアプリケーションの仕組みに利用されます。
SNARK とは
ゼロ知識証明の一種で、非常に短い証明によって計算の正しさを検証できる技術です。ブロックチェーンでは、取引内容を秘匿しながら有効性を証明するためなどに使われます。
🔹 Midnight Cityは、AIエージェントと一般ユーザーをつなぐB2C戦略
Hoskinson氏が特に熱意を込めて語ったのが「Midnight City」です。これはAIエージェントが活動し、ユーザーも参加できるソーシャル/仮想空間型のプロダクトとして構想されており、配信時点で約1万2,000人が参加していると同氏は説明しました。
同氏は、2027年末までにMidnight Cityのユーザー数を100万人へ拡大する目標を掲げています。今後は「Bring Your Own Agent」という形で、ユーザーが自身のAIエージェントを持ち込める環境を整備し、AI、ウォレット、決済、プライバシーを組み合わせた体験を提供していく方針です。
Midnight Cityでは、AIエージェントの振る舞い、職業、アイテム、都市空間などを通じた新たな体験を構築しているようです。配信では、街を歩くモルモットや犬のキャラクター、2D・3Dで表現された都市の様子も紹介されました。将来的には、キャラクターのTシャツ部分を広告やプロモーション枠として活用するアイデアも語られています。
AIエージェント とは
ユーザーの指示や設定に基づき、情報収集、会話、タスク実行、取引支援などを自律的・半自律的に行うAIプログラムです。
B2C とは
「Business to Consumer」の略で、企業が一般消費者へ直接サービスを提供するビジネス形態を指します。
🔹 Midnight向けDeFi基盤と言語「Moriarty」の開発
Hoskinson氏は、自身が「Moriarty」と呼ばれるプログラミング言語を開発中であることも明かしました。これはチューリング不完全な言語で、MidnightのDeFiカーネルにおける「意図(Intent)言語」として利用する構想だとされています。
同氏によれば、Moriartyでは取引とともにプログラムの正しさに関する証明を扱い、不十分な制約を持つ回路の悪用による資金流出リスクを抑えることを目指しています。すでにローン契約の一部をMidnight上で動作させ、Preview環境で検証できたとも述べましたが、プロジェクトは開発段階にあります。
チューリング不完全 とは
あらゆる計算を無制限に表現できる「チューリング完全」とは異なり、実行できる計算や表現に意図的な制約を設けた設計です。金融契約などでは、予測可能性や安全性を高める目的で採用されることがあります。
DeFiカーネル とは
貸付、交換、デリバティブなどの金融機能を構築する際に共通して必要となる基礎機能群を指す表現です。ここではMidnight上のDeFiアプリケーションの土台となる仕組みを意味しています。
Intent とは
ユーザーが「何を実現したいか」を宣言し、具体的な実行経路はシステム側が選ぶ設計思想です。たとえば「この条件で資産を交換したい」という目的を提示し、最適な取引経路を探す仕組みなどに使われます。
🔹 Cardanoのガバナンスと資金配分への問題意識、マルチチェーン方針へ
配信では、Cardanoのガバナンスに対するHoskinson氏の率直な意見も語られました。特に、Pogun、Blockfrost、ソブリン・ウェルス・ファンド構想など、同氏がエコシステムの成長に寄与すると考えた提案が資金提供を得られなかった点を問題視しています。
同氏は、Cardano向けに提案した商用プロジェクトが支援されなかった結果、I/Oは「Cardanoで最初に、そして永久に展開する」という前提に縛られず、用途ごとに最適なネットワークを選ぶ方向へ進むと説明しました。ただし、Bitcoin DeFiのようにCardanoが強い技術的優位性を持つと同氏が考える領域では、Cardano上での展開を積極的に進める考えも示しています。
ガバナンス とは
ブロックチェーンやプロジェクトの意思決定を、誰がどのように行うかという仕組みです。Cardanoでは、ADA保有者やDRepなどが提案・投票に関わるオンチェーンガバナンスの仕組みが整備されています。
ソブリン・ウェルス・ファンド とは
国家や公的機関などが、将来世代のための資産形成や経済安定化を目的に運用する基金です。配信では、Cardanoの財務資産をより戦略的に運用する構想として言及されました。
🔹 I/OのYouTubeチャンネル不正アクセスと、認証の課題
I/OのYouTubeチャンネルが不正アクセスを受けた件についても報告がありました。侵害された可能性がある認証情報を特定するためログを確認している一方で、YouTube側から必要なログを取得することが難しい状況にあると説明しています。
この出来事を受け、同氏はパスワード中心の認証を減らし、チャレンジ・レスポンス認証へ移行すべきだとの考えを述べました。また、Midnight Passportのような仕組みを通じ、より安全でユーザー主権的なデジタルアイデンティティを整備する必要性にも言及しています。
チャレンジ・レスポンス認証 とは
サービス側が提示する一度限りの「問い(チャレンジ)」に対し、利用者が秘密情報を直接渡さずに正しい応答を返す認証方式です。パスワードをそのまま送る方式よりも安全性を高められる場合があります。
🔹 Cardanoは独立したエコシステムへ、I/Oは新しい挑戦へ
Hoskinson氏は、Cardanoを「創設者から独立し、自ら意思決定を行う存在」と表現しました。自身がCardanoを見放したわけではなく、ADAの大口保有者でもあるとしたうえで、Cardanoが常に自身の直接的な関与を必要とする段階ではないとの認識を示しています。
一方でI/Oは、RealFi、Pogun、Midnight、Midnight City、研究開発、AI、さらに医療分野を含む複数のプロジェクトに注力しています。Cardanoに関わる技術開発も継続しながら、商用化、一般利用、実社会への導入を強く意識した領域へ活動の軸足を広げていく姿勢が、今回の配信全体を通じて明確になりました。
【まとめ】
今回の配信では、Leios、ノード多様性、Bitcoin DeFi、RealFi、PogunといったCardano周辺の進展に加え、MidnightとMidnight CityがI/Oの主要な成長戦略として語られました。特にMidnight Cityは、AIエージェント、プライバシー、決済、デジタル空間を融合する一般ユーザー向けプロダクトとして、2027年末までに利用者100万人を目標に掲げています。
一方で、Cardanoの資金配分やガバナンスをめぐる課題については厳しい見解も示され、I/Oは今後、用途に応じたマルチチェーン展開を強める考えです。今後の各プロジェクトの公式発表、実装状況、監査・検証の進捗を丁寧に確認していく必要があるでしょう。
※最後までお読みいただきありがとうございました。可能な限り正確にまとめていますが、AI要約のため誤りが含まれる場合があります。ご了承ください。
※内容には細心の注意を払っていますが、最終的な対応や判断について責任を負うものではありません。最新の公式情報もあわせてご確認ください。
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