Lace:ライトウォレット・プラットホーム
皆さん、こんにちは。まずはここにいるLace開発チームに感謝を述べたいです。彼らは6カ月という長期間に渡り開発に一生懸命に取り組んでくれました。今日に至るまでがどれだけ大変だったかを私は知っています。チームメンバーの残業や細かい作業といったたゆまぬ努力のお陰でLaceというまさに魔法のウォレットが誕生しました。
LaceウォレットはTypeScriptで書かれています。素晴らしいコードがたくさんありますが、特徴はアジャイル(Agile:更新が早い)だということです。カルダノ・インフラエンジニアが従来行ってきた作業と毎日のように機能を提供できるようなウェブアプローチとを融合させました。Laceウォレットは時間と共に常に進化していきます。ユーザーがウォレットから少し離れて休暇を取り、帰ってきたら新しい機能を携えたウォレットが出迎えてくれるといった感じです。
機能は短期間で更新され、メニューが変わり、カスタマイズが変化します。しかも、ポップアップや推奨ツールが使えることにより機能が増えても、ユーザーが困らないよう使い勝手の良さを求めました。ダークモードやフォントも選択可能です。使い勝手については皆さんからアイデア(CIP等)を頂きました。例えば、NFTの閲覧方法は9割以上をNFTコミュニティから挙げられたアイデアを活用しました。そういった意味では、このウォレットは皆さんが開発したものでもあります。
Dappsストアの魅力は、認証されたものとそうでないものの安全性が可視化されていることです。私はキュレーション(情報を集めて整理すること)についてよく質問をされます。非中央集権的なエコシステムでどのように安全性とオープン性の2つの欲求を両立させるのか?と。安全性とオープン性は互いに対立しているからです。安全を重視すると閉鎖的になります。オープンであればあるほど詐欺などの被害に遭う可能性が高くなります。
私は安全性とオープン性の妥協点は「オープン性」だと考えます。Dapps開発者はプロジェクトの登録に許可は必要ありません。ただし、各プロジェクトはオープンなプロセスで認証を受けビジュアル分けされます。これにより、ユーザーはより安全なプロジェクトを選択できるし、第三者のレビューを参考にしたりできます。また、安全性が可視化されることでDapps開発者側により正当な方法でプロジェクトを開発しようというインセンティブが働きます。
分散委任は素晴らしい機能の一つです。Laceウォレットを使えば複数のプールに委任することが簡単になります。また、ホットキーとコールドキーを分離できるプロキシキーを持つことが簡単になります。台帳やその他のハードウェア、ペーパーウォレットを接続する際、ユーザーは安全性を確保したまま全てをシームレスに管理できるようになります。
投票センターはカルダノ・エコシステムを次のレベルへ引き上げるものです。ガバナンス(カタリスト)に定期的に参加している人は実はエコシステム全体の10%しかいません。Laceウォレットでシームレスな投票ができるようになればガバナンスに参加する人が増えます。現在のADAのステーク率は約70%です。ガバナンス参加者が7倍になれば、より民主的でバランスの取れたガバナンスが成り立ちます。
LaceウォレットはMithril搭載です。Mithrilの実装は他の暗号通貨のプロトコルでは非常に難しいです。カルダノに実装できたのはカルダノ・プロトコルがMithril対応に設計されているからです。先日公開したインプット・エンドーサのビデオでも紹介していますが、Mithrilは拡張UTXOに不可欠な要素です。拡張UTXOがあればTPSがどうだとか正直どうでもよくなります。1000個の複雑な作業が1度のトランザクションで済むのですから。このトランザクションがケータイのブラウザ・ウォレットでできるのです。もちろん、フルノードセキュリティです。
最後に、忘れてはいけないのが「アイデンティティー・センター」の存在です。ユーザーはAtala PrismのIDとValue(価値)を1つのインターフェース上で管理できるようになります。
Laceウォレットはカルダノをより強くする製品です。私はこの製品をとても長い間待っていました。私達は今後もユーザー・エクスペリエンスやユーザー・インターフェースを皆さんと共に発展させていきます。
今日はお集まり頂きありがとうございました。
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