Contents
- 1 カルダノ360(12月):プロジェクト主要リーダーへ特別インタビュー
- 2 John Wood/ ディレクター・オブ・アーキテクチャー
- 3 Tamara Haasen/ チーフ・オブ・スタッフ
- 4 Dor Garbash/ ヘッド・オブ・プロダクト、ガバナンス
- 5 David Taylor/ カルダノ財団、ヘッド・オブ・マーケティング
- 6 Aggelos Kiayias/ チーフサイエンティスト
- 7 Dynal Patel/ チーフプロダクトオフィサー
- 8 Kevin Hammond/ テクニカルマネージャー
- 9 Francois-Rene Rideau/ MUKN共同創設者
- 10 John O’Conner/ アフリカ事業担当ディレクター
- 11 Shruti Appiah/ ヘッド・オブ・プロダクト、スマートコントラクト
- 12 Tom Lindeman/ CSO(最高戦略責任者)、Runtime Verification
- 13 Grigore Rosu/ CEO(最高経営責任者)、Runtime Verification
- 14 Romain Pellerin/ チームテクノロジーオフィサー
- 15 Simon Thompson/ テクニカルプロジェクトディレクター
- 16 Joey Dodds/ プリンシパルリサーチャー、Galois
- 17 Lars Brunjes/ エデュケーションディレクター
カルダノ360(12月):プロジェクト主要リーダーへ特別インタビュー
この翻訳は、Cardano360(12月)の動画内容のうち、チャールズさん以外の方が話した内容の要約・翻訳になります。チャールズさんの話した内容を知りたい場合は、以下のリンクへお願いします。
https://www.youtube.com/watch?v=mhfxSWrTrtI カルダノ360(12月):スピーチbyチャールズ・ホスキンソン この翻訳は、Cardano360(12月)の動画内容のうち、チャールズさんが話した内容のみとなります。他の人の内容を知りたい場合は、...
こんにちは。ティム・ハリソンです。カルダノ360イベントへようこそ。2021年が終わりに近づいています。今回は通常の形式ではなく、2021年にカルダノが達成したすべてのことを取り上げてお祝いする形にしたいと思います。もちろん、来るべき1年の希望と目標も併せてお伝えします。
本編をスタートする前に、カルダノの1年間の業績を数字で振り返ってみましょう。
●カルダノの研究論文はこの分野で最も多く引用されている。
●コードの量において常に業界をリードしている。パブリック・リポジトリでのリリースは106回、GitHubでのコミット数は38,000を超える。
●200万を超えるネイティブトークンがコミュニティによってカルダノ・ブロックチェーン上でミントされた。
●152人を新従業員としてIOGが採用。従業員は37ヵ国でリモートまたは現地で勤務している。
●2022年の第2四半期末までに3,300万人のアクティブ・ユーザーを獲得する予定であると発表した。
●カタリストには44,000個以上のウォレットが投票登録されていて、7つのプロジェクトが進行中。現在までに312件のプロジェクトが資金調達を受けた。その内40件はアフリカ関係。
●カルダノのウォレット数は今年5月の100万個から2倍の200万個に増加した。
●ADAの70%以上がステーキングされていて、100万個以上のステーキング・ウォレットを約3000個のステークプールが管理している。
それでは、カルダノ・プロジェクトの主要なリーダー達から話を聞きましょう。
John Wood/ ディレクター・オブ・アーキテクチャー
今年は2つの大きなマイルストーン(節目)がありました。1つ目はPlutusです。Plutusの実装によりカルダノ・プラットフォーム上でスマートコントラクトを行うことができるようになりました。2つ目はネットワークのパフォーマンスの向上です。Plutusの実装に比べるとあまりエキサイティングではありませんが非常に重要なことです。パラメータを調整したことでトランザクションの処理スピードが格段に速くなりました。2022年はカルダノをコミュニティに引き渡して、IOHKによる開発だけでなくコミュニティ主導の開発ができるようにしたいと考えています。そのため、2022年にはいくつかの機能強化が予定されています。1つはネットワーク層の分散化です。
Tamara Haasen/ チーフ・オブ・スタッフ
私にとって最も大きな出来事として記憶に残っているのはアフリカ・ツアーです。ジョン・オコナーの先導で6つの国を訪れました。私達が訪問したどの国もブロックチェーン技術に対して非常にオープンなことに目を見張りました。先進国よりも発展途上国のほうがこの技術を必要としているのです。私はアフリカ・ツアーを通してこの技術がアフリカの人々に力を与えることができると確信しました。これからアフリカ大陸で起こる革命を自分が生きている間に見ることができるとは思ってもいませんでした。2022年は絶対にワイルドなものになるでしょう。コミュニティに向けてカルダノを完全に開放することになるからです。
Dor Garbash/ ヘッド・オブ・プロダクト、ガバナンス
今年はカルダノのガバナンスにとって素晴らしい年でした。年始に少数の参加者による文字通り小さな集団からスタートしました。それが今では約45,000個のウォレットが登録された世界最大の分散型イノベーションファンドが存在し、イノベーションプラットフォームにもほぼ同数の参加者がいます。来年は「Voltaireの年」になります。皆さんは自分の投票権を皆さんに代わって投票できる代表者に委ねることができるようになります。そして、ダッシュボードにアクセスできるようになります。さらに、資金提供を受けた提案がどのように実行されているか、どのようなアウトプットをしているかを正確に見ることができます。来年はカタリストだけで2000件以上の提案が資金提供を受ける見込みです。
David Taylor/ カルダノ財団、ヘッド・オブ・マーケティング
1つ目の私の2021年のハイライトは36カ国で20万人近くが参加したカルダノ・サミットです。サミットの一環としてコミュニティ主導のイベントが各地で開催されたのが印象的でした。2つ目はオンチェーンの成長です。既に240万近くのネイティブアセットがカルダノ・ブロックチェーン上でミントされました。900以上のPlutusスクリプトが実行され、ウォレット数は250万個に急速に近づいています。
Aggelos Kiayias/ チーフサイエンティスト
2021年はIOHKが非常に充実した年でした。36本の研究論文が発表されました。その内の1つが年明け早々のHydraの最初のバージョンの発表です。Hydraとはメインチェーンのセキュリティを犠牲にすることなく、非常に高速なオフチェーン・トランザクション処理を可能にするレイヤー2プロトコルです。2021年のもう1つのマイルストーンはウロボロス・クロノス(Ouroboros Chronos)です。
Dynal Patel/ チーフプロダクトオフィサー
私が特に誇りに思っている今年のマイルストーンは、私がIOGで働き始めた時から始まったことですが「Atala Prismプロジェクト」です。2年間の構築期間を経てAtala Prismプラットフォームがついにリリースされそうです。私はリリースされたプラットホーム上に何百もの企業やパートナー、コミュニティが構築されていくことを想像して興奮しています。何百ものユースケースを持つ強力なプラットフォームとしてローンチを迎えるでしょう。2022年はカルダノが開花する年です。パイプライン化などメインチェーンのキャパシティを向上させるためのさまざまな機能が用意されているのでとても楽しみです。レイヤー2では2つのユースケースに焦点を当てたHydraの最初のバージョンをリリースします。DEXやNFTマーケットプレイスのようなアプリケーションでオフチェーン決済処理を実現しマイクロペイメントを可能にします。
Kevin Hammond/ テクニカルマネージャー
多くの中からマイルストーンをどれか1つに絞るのは難しいところですが、強いて言えば「アロンゾ・ハードフォーク」です。これは本当にエキサイティングなロールアウトイベントでした。関係者皆の頑張りと努力の結晶と言えます。2022年はこれまでにカルダノ・ブロックチェーン上に構築したものを拡張し、性能を向上させ、機能を追加して、カルダノが世の中の主流なブロックチェーンになることを目指します。
Francois-Rene Rideau/ MUKN共同創設者
カルダノ・コミュニティと一緒に仕事ができるのはとても嬉しいことです。私のメインプロジェクトは「Glow」というプログラミング言語です。これは分散型アプリケーションのための言語で、PlutusやMarloweに似ていますがHaskellをベースにしているわけではありません。独自の言語とでも言いましょうか。実装言語のスキームがベースです。現在、Glow言語はカルダノEVMサイドチェーンでうまく機能しています。我々の目標はこの言語をPlutus PABで直接動作させることです。Plutus PAB で動作させるためにカタリストに提案も提出しています。
↓Glowの概要
※Catalystの提案を見たい方はこちらから
John O’Conner/ アフリカ事業担当ディレクター
今年はアフリカで事業を行う私達のチームにとって大きな節目の年となりました。特記すべきは初の大規模な国家間取引の成立です。エチオピアの教育省とのパートナーシップで、学生にまずは600万のデジタルIDを提供し、さらにそれを2,000万まで拡大する計画があります。プロジェクト順調に進んでいます。来年の1月にはシステムを展開する予定です。2022年は間違いなくオールアバウトRealFiの年になると思います。
Shruti Appiah/ ヘッド・オブ・プロダクト、スマートコントラクト
2021年までに達成したことやマイルストーンを振り返ってみましょう。1つ目はカルダノにスマートコントラクトを実装できたことです。スマートコントラクト機能があることで開発者はエコシステムに参加し、Plutusやバーチャルで使用している他の言語を使って独自のDappsを構築することができます。2つ目はプルータス・パイオニア・プログラムを展開したことです。希望する人々にPlutusを使ってDappsを構築しカルダノ・エコシステムに投入するまでの道のりを教育しました。
Tom Lindeman/ CSO(最高戦略責任者)、Runtime Verification
私にとっての今年の大きなマイルストーンは最初のPlutus監査です。最初のPlutus監査では多くのことを学びました。
Grigore Rosu/ CEO(最高経営責任者)、Runtime Verification
Tom Lindemanが挙げたマイルストーンとは別にもう一つの大きなマイルストーンはIELEの効率的な実装です。私達は手書きですが実装のレベルにまで達しました。相互作用が完全に自動で正しく行われるようになりました。
Romain Pellerin/ チームテクノロジーオフィサー
私にとって最も重要なマイルストーンはスマートコントラクト言語のリリースです。今後もこの言語を改善し、より利用しやすいものにしていくつもりです。
Simon Thompson/ テクニカルプロジェクトディレクター
私は2021年をMarloweチームのリーダーとしてスタートしましたが、Dappsプラットフォームのテクニカルディレクターとして今年を終えます。私の担当は言語、認証、Dappsストアです。私達は「Marlowe Run」のアイデアを実現させました。これはカルダノのブロックチェーン上で動くコントラクトであるMarloweのコードです。来年の第一四半期にPABを含むバックエンドのメインネットでの展開を予定しています。また、年末に向けてよりヘビー級のDappsアプリが登場してきました。私はこれらのアプリの今後をとても楽しみにしています。
Joey Dodds/ プリンシパルリサーチャー、Galois
2022年、私達はMithrilに取り組む予定です。Mithrilは新しいプリミティブでカルダノの新しいノードになります。私たちはプリミティブの実装は済ませています。2022年の検討事項はプリミティブを改良し続ける方法と、将来私達や他の誰かが開発する可能性のある新しいノードを包括的にテストできるテストラボを構築する方法です。これにより、より安定した環境で、より予測可能なノード環境を実現することができます。
Lars Brunjes/ エデュケーションディレクター
今年はカルダノの教育分野にとって本当にエキサイティングな年でした。大規模なオンラインコースで1000人ものエンジニアにPlutusを教えるというのは私達にとって大きな挑戦でした。結果としては、収めた成功の大きさに驚いています。コースのスタート時のPlutus はまだまだ「粗削り」でした。週ごとに状況が変わり参加したエンジニア達はそれに対応しなければなりませんでした。しかし、コミュニティには協力し合うという素晴らしい精神があり、皆で助け合っていました。私が考えるこのコースの最も素晴らしい成果は、Plutusの使い方を教えられたことではなく、Plutusを学びたい、エキサイティングなプロジェクトを書きたい、Plutusの質問に答えたいというエンジニア達の素晴らしいコミュニティができたことだと思います。来年は、IELEやMarloweなど、成熟しつつある技術を使った新しいパイオニア・プログラムがたくさん予定されています。
最後に、私ティム・ハリソンから一言述べたいと思います。カルダノ・コミュニティの結束の強さは他に類を見ないものです。今年、カルダノの物語に皆さん一人一人がそれぞれの役割を果たしてくれたことに感謝しています。2022年も素晴らしい年になりますように。ハッピーホリデー。
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