コンセンサスでの基調講演
皆さん、こんにちは。今日はお集まりいただきありがとうございます。カルダノ・コミュニティの皆さん、大きな声援をありがとうございます。コロラドから直行してくる予定が、思い付きでワイオミングに寄り道をしてしまいました。私はとにかくバイソンが大好きなのです。ご覧の通り、体重が増えました。コロラドは涼しくなってきたので、身体が脂肪を蓄えて冬の準備を始めたようです。
先日、私も中心的な役割を担ってきた金融革新法(別名:ルミス-ギリブランド法)が議会に提出されました。この法案は140ページを超える文書で内容はかなり包括的です。暗号通貨の税法上の取り扱いからステーク報酬の課税タイミングまであらゆることが網羅されています。可決には4つの委員会を通らなければなりません。私は大統領や影響力のある上院議員の後押しがない限り現状の法案のままで可決される見込みはないと考えます。この法案のポイントは、暗号通貨の規制についての議論を議会に促すイントロデューサーになったことです。議論を続ければ2023年に何らかの形で法案が通る可能性は高いです。
誰もが分散化、分散化と言いますが、分散化の本当の意味を理解している人はいるのでしょうか?なぜなら、実際に分散化を測定する方法がないからです。分散化には情報の非対称性の解消や、市場に参入して不安定化させる可能性のある中央集権的な主体によるシステミックリスクの解消など、さまざまな良い性質があります。
私は法案の成立には、第一にブロックチェーンを測定する「分散化インデックス」が必要だと思います。測定して数字を与えて、ある閾値を超えたら十分に分散化されていると言えるようにするのです。第二に、暗号通貨ユーザーの権利を定義する「権利章典」が必要です。第三に、ウォルフスバーグ声明のような、国境を越えた取り決めを行い、国境を越えた抑止力を持たせる必要があります。結局のところ、世界はアメリカを中心に動いているのではありません。200近い国で成り立っていて、どんどんボーダーレスになっています。
分散化とガバナンスと権利章典の間には非常に密接な関係があります。これには、エコシステム内で個人がどのレベルの発言力を持つかなども含まれます。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)スタイルのシステムでは、個人が発言してもシステムをコントロールすることはほとんどできません。あなたがビットコインを持っていても、あなたはコードに口を出すことも、システムのガバナンスに口を出すこともできません。ビットコインはあなたに何も与えません。ビットコインは単なる価値の貯蔵物です。
カルダノのようなプルーフ・オブ・ステーク(PoS)スタイルのシステムは他のシステムより多くの投票要素を持っています。ADAホルダーはシステムのガバナンスやコンセンサスに対する発言権を持つことができます。
今後、規制当局がフェアユースの観点からはどうなのか?とか、利害関係の証明はできるのか?といったより複雑な課題を投げかけてくることが考えられます。私はシステムをインターネットで利用されているTCP/IPのように標準化するべきだと思います。標準化をする上で分散化インデックスは有効に働くはずです。分散化インデックスについては、夏の終わりまでに論文を書き上げる予定です。
数字や構築の話をしていて思い出したのですが、カルダノ・エコシステムで構築されているプロジェクトが1000個を突破しました。祝福されるべきはプロジェクトの開発者の皆さんで私ではありません。彼らがやったのです。私はどちらかというと観客側にいます。今夜コミュニティ・イベントがあります。私は数百人くらいの参加者を集めることを目標としていたのに2000人が参加登録をしてくれました。80個ものプロジェクト・チームも集結します。こんなに大規模なイベントになるとは本当に驚きです。
カルダノの開発スピードは亀のように遅いかも知れません。しかし、私達は忠実に毎日少しずつ前進しています。ウォレットの数は増え続けていて、取引量は常に全体の5番以内に入っています。カタリストで資金提供を受けているプロジェクトは900以上もあり、内容は興味深いものばかりです。ガバナンスも確立されつつあります。カルダノのエコシステムはピラミッド型ではなく美しいサークル型です。
現在の暗号通貨市場は弱気相場です。実は私がこの業界に居て一番楽しかったのは弱気相場の時です。強気相場の時は、一攫千金を狙うような人が沢山現れて非現実的な期待を抱きます。技術的な会話などは置いてきぼりにされます。弱気相場に入ると、人々はみんな友好的で協力的です。会話が弾み、コラボレーションや進歩、テクノロジー採用が促進されます。
さて、皆さんは私の話を楽しんでくださったでしょうか。ありがとうございました。
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